(白い花)
風が吹いて 花が揺れて
誰かが私を愛してくれていると思う
風が吹いて 花が散って
命がつながれていると思う
日常に 私の夢が落ちて
私もきっと 花開くのだと
私は信じて 風が吹く方向を
黙ったまま 見つめる
夢の欠片現の一片(硝子の箱)
大切なもものなくしたままで
光の中に立っていると
太陽さえもが 私を憐れんでいるようだ
暖かさと裏腹に
私の心の水を蒸発させて
私を泣かせてくれない
不透明な世界の端に
私の大切なものが 積み上げられて
きっといつか
私の上に光の柱を立て
それでも両足で踏ん張っている私に
ただ笑ってくれるでしょうか
Strange Hours(謎)
寝癖と掠れ声と 無関心な横顔と
思ったより長い睫毛と 尖った顎と
貴方を思い出せるだけ思い出して
私は眠る
電話の向こうの変わらない声と
変わらない調子と 変わらないだろう笑顔と
貴方を思い出せるだけ思い出して
受話器を置く
好きの反対も たぶん 好きだという感情だと
改めて思って 一人で笑った
kanan(平原<Heigen>)
君が 生きた 事実 君が 消えた 夢
君が 祈った 未来 君が 目指した 炎
目の前で生き物のように踊る炎が
君の声で問い掛ける
――幸せは…
君が 生きた 過去 君が 消えた 現実
君が 祈った 夢 君が目指した――
生きている間中 君を思う
森のハーモニー(鳥になった日)
風切羽根が落ちて
君の声が聞こえる
――君はきっと笑うんだろう
風切羽根の先端に
なけなしの勇気を貼り付けて
鳥になりたいと願った
僕の気持ちなど 知りもしないで
勲章のように
風切羽根を広げて
夢を見る
鳥になりたいと 願いながら
ラブライフ(コーヒーメーカー)
誰も私を見つめていない夜に
私はただ街灯を眺めている
心の奥で笑う笑顔も
体奥で燃える悲しみも
どこか遠くに置き忘れてしまいたい
私が泣けば 私の胸から
青い光が上がるでしょう
空に向かって 突き進む
光の流のように
ブレインシュガー
鈍色の空に鋼鉄の翼で
何が楽しくて 夢を見ただろうか
疑問と矛盾で空が覆い尽くされて
何が光だと信じられただろうか
鋼鉄の翼は
天使にはなれない
けれど 空は
いつまでも頭の上で 何か歌を歌っている
鈍色の空のどこかで
誰かの魂が
翼を見上げて泣いている
THE GREAT GAME(月下残影)
私は何も望まない
私の夢や愛は全て 私の心を満たして去る
東の空に月剣 西に月闇
私の遠い日々を 刺すようだこと
私は私以外から私に与えられる
全ての優しさと愛を拒絶しよう
私は全てを得た
もう 思い残すものもないほどに
私の命は 私の夢と恋と共に
月剣に刺し貫かれ
妖しい色を放ちながら
遠い波間に 消えていった
小説DE豊かな時間(桜梅隗)
救われたかったと その人は言った
私は愛を獲得したと その人が言った
私は泣いた
じわりと暗い 落ち葉の陰で
私の魂は泣き 私の夢は泣いた
私とその人の 目に見えない糸は
切っても切っても たぶん
私の透明とその人の笑顔を繋いで
時々 暗い血の色のような
甘い香りの花を咲かせる
散る花を見て 私は笑った
もう 私に残された道は 全てを赦して
透明になっていくことだと知ったので
まけないこども(まるで呪文のように)
人は生きて死ぬ 人は生きて死ぬ
人は死ぬが それは生きることの果てではなかったか
人は死ぬ 人は生きる
人は生きるが それは死ぬため以外の何か
――たぶん 死ぬという目的以外のものであらねばならないはずだった
魂は熟して 樹から落ち 腐敗し 融けて
人は熟して 抜け殻になり 腐敗して 歌う
人は生きて死ぬ 逆説に気がついてはならない
人は生きるから死ぬのだ
木魂が そ知らぬ顔をして帰ってくる
まるで誰かが自分のために 泣いてくれでもしているようだ
TEAR DROP.(カルテット)
君の髪に 白い花咲く
流れる風の華やぎ 諍いも甘く
君の髪に 白い花咲く
旅立ちの時に 君を攫おう
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繰り返し 夢の水際で囁く
純白の夢 羽毛の柔らかさで
緩やかに私を殺す
君の花咎《はなとが》
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原始の泉に お前の指が触れたら
私は震えて死んでしまうでしょう
私は世界の始まり そして世界の終わり
懐疑を抱く瞳が それでも真理を望んだら
私は秘密の鍵を差し出すでしょう
私は世界の始まり そして世界の終わり
悲しみと苦しみとを お前が細い肩で支えようとするから
私は恋い 誓い 祈り そして謳った
生きようとする 誠実な魂の震えに
共鳴して弾け散ってしまうまで
目覚め生きようとする私の子供よ
私に愛と死をもたらす 運命を告ぐ者よ
私は世界の始まり そして世界の終わり