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 Rouge  追想/F U N E R A L

 空は青く 風は清く
 山は燃え 鳥は飛ぶ
 私はただ大地に立って
 あなたが消えた地平線を見つめた

   ――いってらっしゃい はやく帰ってきてね

 切り取られた日常に 私は凪いで
 同じ言葉を繰り返す
 永遠に回転を止めない傷ついたレコードが
 いつか悲しみを歌いだすまで

 Blue   青淵/D I V I D I N G L I N E

 私の祈りは 小さな壜に閉じ込められて
 砕かれる時を待っている
 誰にも知られない小部屋の
 古びた本の上に 無造作に置かれて

 私の祈りは 小さな壜に閉じ込められて
 砕かれる時を待っている
 誰もいない部屋の
 密やかな息遣いに縛られて

 私の祈りは
 私の絶え間ない祈りは
 午後の光にぼんやりと照らされながら
 ポツンと灯る道標のように
 美しく 青く 発光していた

 Bisque  君忘れ/M I N D

 硝子越しの街の色が 昨日より鮮やかで
 硝子越しの人のざわめきが
 昨日よりも声高に
 そそり立っていくビルの 谷間
 雪が降るように
 鐘が鳴る

 存在するという事実が
 既に私を縛っている
 あなたという事実が
 あの日私を悲しませたように

 私たちはゆっくりと時間をかけて
 私たちになっていく
 向き合わせに立つ強さを
 あなたが私に
 くれたから

 Olive  新しい朝/N E W D A Y

 熱を感じるより先に 光を感じる
 広い窓越しの太陽は
 目を閉じていても なお
 そこに居ることを やめない

 瞼の裏の灼熱と赤が
 私に生きている事を教える

 照りつける光の中に 全身を曝して
 絶え間なく裁かれながら
 あなたが 問う

 ――世界は美しいか

 Forget-me-not  勿忘草/F O R G E T - M E - N O T

 目を閉じていく
 睫の隙間から見える空が
 小さく砕けていく

 紅く 瞼は色づいて
 生きている 生きていると叫ぶのに
 砕け散った 空色が
 悲しい 悲しいと泣いている

 勿忘草は 涙の痕に咲きますか
 それとも
 誰かを恋うたび 咲きますか

 砕けた空が 眦から落ちて囁いた
 忘れないで 忘れないから