□ White □ My Devilish Mr.T/White Passion
強い ハレーションを起こした光の中で
あなたが躍動する
張りつめた筋肉 伸ばされた手足 汗 息
何かをつかもうとする指
私はあなたを見つめている。
この どこか甘い痛みは何という名で呼ばれるのでしょう
近づいてくる私を見つめて
あなたは最初から全部を知っていたような
そんな顔をしてみせる
嘘 推測 罠 夢
あなたは私を試している。
この 怒りに似た支配欲をどうすればいいのでしょう
真っ白に燃えていく私の夢の中で
あなたの色素の薄い髪が揺れている
一筋にあなたに私を刻みつけたくて
手の平に祈りを乗せて
ファインダーの中の
揺れるあなたを 見つめている
■ Red ■ 焔/HOMURA
燃え上がる紅葉の風の中で
あなたは風を睨みすえていた
優しさとは無縁の強い眼で
こころの焔を見つめていた
世界がその身に落ちてきても
あなたは哀しむこともなく
正義と同じだけの罪深さで
戦い果てていくでしょう
訣別する孤独の怒りの声が
紅く私の網膜を焼く
命という名の意志が
彼女の焔を彩っている
紅葉映す病みたる鬼女の眦に涙光れり 嬰児の声
■ Persimmon ■ 実り/TAWAWA
自分の体が、少女から大人へと変化した代わりに
私は何を置き忘れただろう
たわわな実りを、花の艶と引き換えにした樹木は
どうして真っ直ぐに立っていられるのだろう
過ぎ去ったものだけが愛しいと感じるのは
私がまだ 置き忘れたものを見つめることなく
日々を過ごしているからに違いない
樹木のもつ 結実への決意の その潔さ
決意の込められた実の その芳醇さ
いつの日か 私のこの実りの変化が愛しさに変わるとき
私の人生のすべてを肯定して
もう一度
魂の経過を辿ることができるだろうか
■ Deep Green ■ 雪音/Voice in sky
思い出して 思い出して 僕の名前
忘れないで 忘れないで 生きていたこと
茶色く枯れた蔓の先に優しくその身を預けながら
小さな六角の夢が 囁きつづける
愛されていなかったわけがないよ
こうして今 生きているから
誰に語りかけている?ただ、あてどなく
声なき声で囁きつづける
愛しているんでしょう?たとえ
同じだけの愛で愛されなかったとしても
なぜ 私の心が筒抜けになる
なぜ 求める言葉を返してくれる
雪の夜の沈黙は 鏡に映る己の声
さやさやと無の中に 己の心の在り処を知る
愛してあげる 愛してあげる
愛してあげる…
■ Alice Blue ■ 細雪/Love emotion
悲しみ、という感情が
何処から生まれ、何処へ流れ去るのか
それを考えると、不意にあの人の顔が浮かぶ
太陽さえ消えてしまうほどに
憎んだこともあったけれど
何時の間にか何もなかったかのように
隣に立つこともできるようになった
流れていく私の感情と涙
その分だけ、少しずつ私は軽くなっていく
あの人を見つめて傷ついた分だけ
私はあの人が必要だった
切実に ただ 切実に
たぶん、傷つくことすらないよりは、ずっと
哀しみの在り処を捜した分だけ
私は静かに豊かになる
そうして流れていった私の感情が
白く脱色されて、私の両手に降り積もっていく
■ Strong Violet Red ■ 花便り/End of the road
道は続いていた
たぶん まっすぐに道は続いていた
私は歩き出せなかった
あなたの背中が 次第に小さくなり
やがて うっすらと流れる霧にまかれて
見えなくなった
私が立ち止まったその瞬間に
私達の道の 終わりが来たのだ
さようなら と声をあげることもできず
ただ 小さくなっていくあなたを 忘れまいと見つめつづけた
あなたと過ごした時間の全てを
私は忘れたくない
立ち止まった 道のおわり
花の香が私を包んでいた
■ Sky Blue ■ 軌跡/Kamihiko-ki
意地を張らずに、甘えたり、笑ったり、泣いたり
全身で好きだと表すことが出来ていたら
こんな張り詰めた関係にはならなかったでしょうか
自分のプライドを優先せず、
ただ、あなたの傍に居れる事を感謝して
掌から漏らさないようにじっと抱きしめてさえいれば
今でも私の部屋の中には貴方が居たでしょうか
あなたと二人で競争した紙飛行機の飛んだ距離だけ
私とあなたが離れていき
今、私の中に残るのは
どこまでも青い空と
紙飛行機の描いた不安定な軌跡だけです
紙飛行機の行方に広がる空に
あなたの未来を見ながら
ただその先の 幸せを願っています
■ Light Pink ■ 花嵐/Return to You
花開くことを願わなかったら、風にそよぐことを望まなかったら
生まれることを選ばなかったら
知ることの出来なかった悲しみや喜びが、今、
私の掌にあります
散る花は悲しくて嫌いだと
あなたは俯いたままそうおっしゃいましたが
そう言いながら、それでもさやさやと風に流れる温かな雪を
何も言わずに見つめていたことを、私は知っているのです
美しく無垢なものを見ることは、悲しみを秘めているでしょう
ですがその悲しみに縛られて、大切なものを見逃してはいけません
今、私とあなたの掌にある、この微かな痛みを持った花弁は
ただ純粋に何の下心もなく、私たちが生きたという
証に他ならないのです
風に舞う私たちの悲しみに、どうか微笑みと口付けを
そしてあなたの髪を飾って
私はまた一年という時の単位を、ただ、あなたを見つめて過ごしましょう